魂が入る程努力してお雛を造るけれど、魂は飾って頂く皆さんが自分の魂を入れて大事にしてほしい。
日本の代表的な芸術人形、中でも京雛有職雛は古代装束を正確に考証して作られる優雅で格調高い写実芸術です。
雅の世界を蘇らせる雛人形、その四千余りにのぼる全行程はすべて手作り。
手が造り、手が結い、手が着せる……人形に魅せられ、
人形に魂を与えようとする名匠達の心技はそのままおさな子達への慈愛と成長の祈願の心なのです。
どうぞ名匠の磨きぬかれた技のみが表現しうる雅ごころを心行くまでお楽しみ下さい。
ABOUT大橋弌峰について
たゆまぬ努力で磨きぬかれた技。
有職故実に基づいた優雅で格調高い制作。
古典京雛の名匠、初代大橋弌峰を父にもつ二代目。京都鱗形屋九代目中村太兵衛氏に師事した初代は、60余年にわたって京人形にこだわり磨き抜かれた技を二代目大橋弌峰へと見事に継承した。
二代目としては、平成元年に通商産業大臣指定伝統工芸士認定。翌2年には節句人形工芸士認定。平成17年、京都府伝統産業優秀技術者(京の名工)表彰。さらに平成22年には数々の功績が認められ瑞宝単光章を受章するなど活躍目覚ましい。現在は人形製作のほか、京都の工房内で実子である大橋義之氏を初め多くの職人にその技術と心の継承にも心血を注いでいる。
PROFILEプロフィール
昭和15年、京都に生まれる
昭和31年、初代大橋弌峰に師事
平成元年、通商産業大臣指定伝統工芸認定
平成2年、節句人形工芸士認定
平成17年、京都府伝統産業優秀技術者(京の名工)表彰
平成22年、瑞宝単光章勲章受章
京都府伝統産業技術コンクール入賞を初め、数々のコンクールにおいて高い評価を受ける京都を代表する人形師の一人。
REPORT潜入リポート
増村人形店が貴重な名匠の作業場に潜入!
「たかが人形ですけど、むずかしいもんでっせ」
明けても暮れても人形のことを考える、京の名匠
REPORT 01
磨き抜かれた技を受け継ぐ
二代目有職人形司
京都市上京区千本通出水。平安京のメインストリート・朱雀大路に起源する通りに工房はあります。暖簾をくぐると、雅やかな大橋弌峰の人形がお出迎え。気品にみちた有職雛は、まるで平安絵巻のごとく公家の装束を表しています。さらに立雛は、「今にも歩き出しそう」と称されるほどリアリティがあり、見るものの心を惹きつけます。
京都鱗形屋九代目中村太兵衛氏に師事した初代は、京人形一筋に60余年。磨き抜かれた技を二代目へと受け継ぎました。元来、雛人形は天皇・皇后のお姿をかたどったものであり、御所の膝元であるここ千本出水ではひとかたならぬ思い入れがあります。
大橋弌峰の立雛
- 「明けても暮れても、毎日人形の事ばかり考えてます。たかが人形ですけど、人さんから誉められるようなもんを作るのは、むずかしいもんでっせ」
と、当代の大橋弌峰さん。
繊細かつ大胆。有職故実に基づき、古典雛の復元から趣向を凝らした変わり雛まで精力的です。京都御所内の迎賓館にある和の晩餐室・桐の間に『朱雀大路大極殿雛』を展示するなど、海外からの要人をもてなす場でも華を添えています。
REPORT 02
京のお雛様は気品がすべて
いにしえの雅を今に伝える
「さすが京都の大橋さん」と言われるのには、理由があります。工房では、すべての職人がすべての工程を行えるように修行を積んでいます。これは、型紙作りから裁断、縫製、着せ付け、仕上げの「かいな祈り」まですべての流れをわかったうえで分業することで微差にこだわり、より人形の完成度が高まるからです。
- 「下仕事から気を抜かず一生懸命にやるのみです。真似からはじめても、ひとつずつ自分のものにしていきたい」
と、伝統工芸士である息子の大橋義之さん。
尊敬を込めて「大将」と呼ぶその姿勢から、きびしい師弟関係がうかがえます。
弌峰のお姫様は、袖口の美しさに定評があります。一枚ずつ丹念に仕立てることにより生まれる袖の直線的なラインは、素材の良さをも引き出しています。品よく柔らかく、多くの生地が重なった十二単をすっきりと仕上げるには熟練を要します。
当代・大将のモットーは、「ええもんを見て、目を肥やせ」。一流の作品を生み出すには、作り手が“ほんまもん”を知らないといけない。日本古来の貴重な人形はもちろん、四季折々に移ろう自然や京料理からもインスピレーションを受けています。大橋弌峰のお雛様の美を追求するひたむきな姿勢は、これからも変わることがありません。
工房のある千本通りは平安京のメインストリートで大極殿があった場所。
多くのベテラン伝統工芸士が所属する工房。
実子の大橋義之氏と。父子相伝の技の継承が行なわれる。
GALLERYギャラリー
MASUMURA×大橋弌峰
増村と各作家とのお付き合いが生み出した世界にふたつとないオリジナルオーダーメイド人形
世界でたった一人の貴方の大切な方には、世界でたったひとつの名品こそ相応しい。
その想いは日本を代表する名匠の手で形となる。
良き日の思い出が詰まった着物や帯を市松人形や雛人形に。
お子様のお名前が彫られた五月人形や、のぼり旗etc..。
ぜひお客様の想いをお聞かせください。増村人形店がお手伝いさせていただきます。